唐津国際映画祭

2025年7月8日(火)~13日(日)までの6日間にわたり、映画館「シアター・エンヤ」にて開催した「唐津国際映画祭2025(KIFF2025)」。応募総数331作品(国内220作品、海外111作品・33の国と地域)の多彩な映画作品と、国内外から訪れるゲストが唐津に集結した唐津国際映画祭の模様を振り返ります。

オープニングイベント 岸井ゆきのさん・三宅唱監督が登壇!

映画祭は、三宅唱監督と岸井ゆきのさんをお迎えして『ケイコ 目を澄ませて』の上映&ティーチーンで華やかに幕を開けました。当日は満員御礼となり、作品上映後には会場から大きな拍手が沸き起こりました。

上映に続くティーチインでは、三宅監督、岸井さんに加え、サプライズでご出演の松浦慎一郎さんも登壇。全編16mmフィルムで撮影された本作が、どのようにして観る者の感覚を研ぎ澄ます映画体験を生み出したのか、貴重な制作秘話が語られました。

さらに、オープニングアクトでは、地元唐津出身の篠笛奏者・佐藤和哉さんが登場。ケーブルテレビ「ぴ~ぷる放送」さん協力のもと、伝統の「唐津くんち」をはじめとする唐津の美しい風景映像を背景に、のびやかな篠笛の演奏を披露し、会場を魅了しました。

交流を深めるウェルカムパーティー

国内外から180名以上のゲストが唐津に集結した今回、おもてなしの一環としてウェルカムパーティーを開催。海外ゲストや映画関係者が交流を深める貴重な機会となりました。また、唐津出身のオペラ歌手・出口未来さんと佐賀出身のピアニスト・大坪健人さんによるデュオ演奏が披露され、迫力あるパフォーマンスで感動を届けました。

国内外から集う、珠玉のノミネート作品を上映

今回の国際映画祭では、国内より220作品、海外33の国と地域より111作品、総数331作品の応募をいただきました。その中から厳正なる審査のもと選出されたノミネート作品39本を連日上映。短編、中編、長編、ドキュメンタリーと多種多様な作品が揃い、平日にも関わらず、地元唐津だけでなく遠方からも多くの映画ファンが訪れ、満席になることもしばしば。各作品の上映後には、監督や俳優、映画関係者による舞台挨拶が行われ、制作秘話や今後の展望などが語られました。

映画と地方創生の新しい可能性。特別イベントも開催

期間中、映画を通したまちづくりをテーマに、特別イベントを開催。

「映画×地方創生の新しい可能性」と題されたトークセッションでは、地方創生を実現するための新たな映画づくりの可能性と課題について深く掘り下げられました。登壇したのは、監督の作品性に寄り添いながら、新たな映画づくりのプロデュースを手がけてきた甲斐田晴子シアター・エンヤ館長と、インディーズからメジャーまで幅広い作品のプロデュースを手がけてきた浅野プロデューサー、エンタメのリーガル専門家岡本健太郎弁護士です。クリエイターにとっては映画の製作に欠かせない資金調達や配給までの新しい可能性を学ぶ場に、そして地方創生に関心のある方にとってはフィルムコミッションについて学ぶ絶好の機会となりました。

さらに、前回も好評を博した「アニメーション動画ワークショップ」が今年も開催。ランディ&ディラン親子が英語で講師を務め、地元の高校生ボランティアが通訳をサポートします。参加した親子20名は、オリジナルのアニメーション作品制作に夢中になっていました。

唐津の魅力を発信!おもてなし企画

国内外より来唐したゲスト向けに、唐津の魅力を存分に楽しめるおもてなし企画を実施しました。茶道裏千家炎交会
唐津青年部ご協力のもと開催した「お抹茶体験」や、唐津の観光スポットをガイド付きで巡る「まち歩きツアー」、海幸山幸豊かな唐津グルメを堪能する「居酒屋体験」、唐津商店街のみなさんにご協力いただいた「特典提供店」など、様々な角度から唐津のまちを楽しめる内容をお届けしました。

このおもてなし企画を通じて唐津を知ったゲストからは、「唐津で映画撮影を行いたい」「また戻ってきたい」という嬉しい声も聞かれました。

映画祭のフィナーレを飾るアワード

映画祭最終日には、受賞作品の発表と授賞式が盛大に執り行われ、各ノミネート作品の関係者が会場に駆けつけました。最優秀作品賞である「パンドレ賞」は、唐津の「虹ノ松原」にちなみ、フランス語で「金の松」を意味します。その他、次回作制作のための奨学金300万円と唐津でのロケハン・エキストラ募集などの支援が贈られる「シアター・エンヤ賞」など、各賞の受賞者が発表されました。プレゼンターには、日頃からシアター・エンヤの活動を支える人々が登壇し、会場は温かい拍手で包まれました。

審査員を務めた映画プロデューサーの浅野博貴さん、俳優の菜葉菜さん、尚玄さん、映画監督の北口ユースケさんからの総評、そして当映画祭エグゼクティブプロデューサー・甲斐田晴子によるスピーチで、アワードは幕を閉じました。

「映画製作費の規模や監督の知名度に関わらず、世界中で製作された多様で素晴らしい映画を日本に届け、映像文化の持つ可能性を世界に発信したい」という理念のもと開催された唐津国際映画祭。映画人の育成を支援し、関係者の“良縁”を繋ぎ、豊かな映像文化の未来に貢献することを目指しています。映画祭を通して文化観光都市・唐津を世界に発信し、地域活性化に繋げていきたいと思います。

ご来場・ご協力・応援いただいた皆様、本当にありがとうございました!

_SNSでシェアする